「MI5」

まだ冬の香りが残る朝まだき。

地球規模の大きさと重みの

(その時の私はそう感じていました。

少なくとも 入善ジャンボスイカよりは大きいイメージ。)

とてつもない　なにかを感じながら

我が子と　無事　対面すべく

必死だったあのとき、、、

助産師さん

「そう！そう！

お母さん　呼吸が上手！！

はい！　りきむのがまんしてね！

はい！　息で　りきみを逃して～

はいっ　ふぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~」

私

「ふぅ～ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

助産師さん

「上手上手！

赤ちゃんの頭みえてきてますよ

お母さん　上手に息できてますよ

そのままねー！！」

(やっぱり？息、上手？よかったー

うれしいわー)

人生最大の難局を迎えながら

悦に入る私がいました。

今思えば、あの状況だったら

　そりゃ　助産師さん、とにもかくにも

ほめてくれますよね。

でも　私は　そんな助産師さんの心づかいには

まったく気がつかず　

「やった！ほめられた！！」

と、調子に乗っていました。

と いいますのも、

「パニック時における息」には　

少し自信があったのです。

生放送の本番直前。

スタジオに入り、マイクやイヤホンをセット。

 マイクテストをし、

•原稿が間違いなく揃っているか

•項目の順番

•デッドエンド(ここまでには絶対に放送が終わるという時間）

 などを　確認。

そして　いよいよ

本番1分前

３０秒前

１５秒前

１０秒前　←はい このあたりから

５秒前　　←そして、ここ！！

                                    ここです！！！！

この本番5秒前に　

自分の息に気づけるかどうかで

生放送での平常心レベルが決まると言っても

過言ではありません。

(あくまでも、私の場合は、です。)

フゥーーーーー

と、体中の空気を全て抜くようなイメージで

口から息を吐ききり、

スゥーーーーー

と、鼻から息を吸って

横隔膜のあたり

あばらの一本一本の間にも

丁寧に空気を流し込み、

すっ

っっと、ほんの一瞬だけ息を止めて

いざ 本番。

生放送では 予期せぬ出来事が多々あります。

それは いわゆる「つっこみ」という

速報だったり、

訂正だったり、

自然現象にまつわる情報だったり。

どんな状況でも 

ニュートラルに 冷静にお伝えするためには、

マイクにのるんじゃないかと思うくらいの

バックバクの心臓音を 早々におさめて

平常心を取り戻すことが重要なのです。

(繰り返しになりますが、

私の場合は、です。)

そのために 欠かせないのが

自分の息に気づく

ということなんです。

息って、当たり前ですけど、

生きていれば 当然していますよね。

息を吸って、はいて。

すって

はいて

の繰り返し。

でも、当たり前って素晴らしいことです。

ふつうに 息ができることって

当たり前かもしれないけど

すごいことです。

生放送の 予期せぬ出来事が起きた時こそ

その当たり前をできるかどうかが

大切なのではないか、と。

だから

MajiでIkiする(本番)5秒前

なのです。

なぜ、また このタイミングで

本番5秒前の息について

長広舌をふるったのかと申しますと、

先日のニュース勤務の際

「5秒前」が迷子になったのです。

「5秒前」をとらえそこなった、といいますか、、、

(詳細は控えますが

その場にいた誰もが予期しないタイミングで

本番がはじまったのです)

そういうことも、あります。

それが 生放送です。

そんなわけで、あらためて

息の重要性を感じることができた

貴重な放送でした。

ところで、

広末涼子さんの「MajiでKoiする5秒前」

が流れていたおよそ20年前。

その時の私は中学生くらいでしたが

MK5 マジで恋する5秒前

MK5 マジキレる5秒前

KY 空気読めない

といった 若者言葉が流行りましたよね。

MajiでIkiする5秒前

　 Ｍ　 Ｉ　５

私が書くと イニシャルみたいになりました。

話はぐーーんと前に戻りますが、

初めての出産の分娩時間は

 6時間1分。

朝7時56分に

待ちに待った息子との対面を果たしました。

病院内でしたが、あの朝の空気感は

一生忘れることはないと思います。

朝の空気は美味しいですね。

今日もごきげんな1日でありますように。